その朝、私は人生で初めて会社に遅刻した。
理由は、同居している養母・文子の体調不良だった。
台所で胸を押さえて座り込む姿を見た瞬間、仕事よりも病院へ連れて行くことを選んだ。
検査の結果は軽い神経痛。
安堵して会社へ向かった時には、始業から1時間近く過ぎていた。
経理部のドアを開けた瞬間、フロアの空気が凍った。
「中森さん、社会人としての自覚が足りないんじゃないか」
課長の高瀬は、皆の前で私を責め立てた。
契約社員の私は、ただ頭を下げるしかなかった。
だが、高瀬の怒りは遅刻に向けられたものではない。
「最近、勝手に古い資料を探っているようだな」
その一言で、私は確信した。
問題は、私が20年前の帳簿に残る不自然な支払い記録を見つけたことだった。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=HovFhXITTlU,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]