片腕で生後28日の娘・雛を抱き、私は台所で鍋の前に立っていた。
産後まだ1ヶ月も経っていない体は、立っているだけで腰が抜けそうだった。
それでも茶の間からは、義母の君子さんの声が飛んでくる。
「麻衣さん、味噌汁が薄いわよ」
こたつでは義父が新聞を広げ、義妹の綾香さんはスマホを見ながらみかんを食べていた。
誰ひとり、私の腕の中で眠りかけている雛を抱こうとはしない。
「少しだけ、雛を見ていただけませんか」
私が頼むと、義母は湯飲みを置きもせずに言った。
「抱き癖がつくから、少しくらい放っておきなさい」
夫の直は長期出張中だった。
出発前、彼は何度も私の手を握り、「母さんたちがいるから安心して。産後ヘルパー代も食事代も送っておく。麻衣は休んで」と言ってくれた。
私はその言葉を信じ、この家に身を寄せた。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=74S04i_7DXA&t=12s,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]