私の名前は一花。40歳です。夫の明利と結婚して5年になります。
子どもがいないことを、姑のこずえさんはずっと私のせいにしてきました。「女として出来損ない」「嫁未満」「明利とは離婚して若い女と再婚させる」と、会うたびに平然と言う人でした。
けれど、本当は違います。子どもを諦めたのは、私が勝手に決めたことではありません。不妊の原因は夫の側にあり、しかも半年前、夫は不祥事で会社をクビになっていました。
退職金もなく、さらに別の女性に貢いで作った借金まであったのです。
その生活費も、同居を始めてから増えた家の出費も、ずっと私が払っていました。けれど姑は何も知らず、働きもせず家にいる息子を「そういう働き方」と思い込み、私だけを責め続けていたのです。
家族旅行の計画も、旅館の予約も、支払いも、全部私が手配していました。それなのに出発の日、サービスエリアで姑は突然私を車から蹴り落とし、「家族でもない女を連れて行くか」と言って、夫に車を出させました。夫は私をかばいもしませんでした。
その瞬間、全部が終わったと思いました。
私はその場で家を出る決意をし、旅館の予約をすべてキャンセルしました。
しばらくして姑から鬼のように電話がかかってきました。「旅館でキャンセルされてるって言われたんだけど!?」と怒鳴る声に、私は静かに答えました。
「当然です。予約したのも、払うつもりだったのも私ですから」
さらに私は、夫が無職であること、不妊の原因が夫にあること、借金まで抱えていること、その生活を全部私が支えていたことを一気に伝えました。
電話の向こうで姑は言葉を失っていました。
その夜、行き場をなくした姑と夫、それに義父は車中泊するしかなかったそうです。翌日あわてて帰宅しても、家の家具や家財の多くは私が買ったもの。私はすでに必要なものを持って家を出た後でした。
その後、私は離婚を成立させ、生活費の援助も打ち切りました。浮気の慰謝料まで請求され、姑たちはようやく自分たちが何をしたのかを知ったそうです。
私はもう、あの人たちの“家族”ではありません。
でも少なくとも、もう二度と「嫁未満」なんて言葉に傷つけられることもありません。