夫が「福岡へ出張する」と言って家を出たのは、7月17日の朝だった。
期間は3日間。
福岡支店で重要な打ち合わせがあるらしく、帰宅は19日の夜になると言っていた。
「急に決まったから、ホテルも会社が取ってくれた」
夫はそう説明しながら、慌ただしく着替えを鞄へ詰めていた。
私は特に疑わなかった。
夫は営業職で、出張自体は珍しくなかったからだ。
その日の夜には、夫からメッセージが届いた。
「今、福岡に着いた」
続けて、明太子やラーメンの写真まで送られてきた。
翌日も、
「会議が長引いてる」
「夜は取引先と食事」
そんな連絡が来た。
私は家で夕食を済ませ、夫の帰りを待った。
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