震災が起きた瞬間の音を、今でも忘れることができない。
地面が裂けるような揺れ。
窓ガラスが一斉に悲鳴を上げる音。
そして、家全体が“壊れる”という感覚そのものだった。
その時、私は台所にいた。
息子はリビングでテレビを見ていて、義母は奥の和室で休んでいた。
次の瞬間、世界が傾いた。
「お母さん!!」
息子の叫び声が聞こえた。
だが、その声は途中で途切れた。
私は必死に立ち上がろうとしたが、足元が崩れ、食器棚が倒れ込んできた。
割れる音と、何かが倒れる轟音の中で、私はただ這うようにリビングへ向かった。
そこには、机の下に隠れる息子の姿があった。
自閉症の息子は、強い揺れや大きな音に極端に弱い。
そのため、パニックになると動けなくなることがあった。
「大丈夫、大丈夫だから!」
私は必死に手を伸ばした。
しかしその瞬間、再び強い余震が来た。
天井から何かが落ちる音。
義母の部屋の方から、うめき声のようなものが聞こえた。
「お義母さん!」
私は一瞬、体が固まった。
息子を見る。
義母のいる方向を見る。
どちらも、今すぐ助けが必要だった。
その数秒の迷いが、すべてを変えた。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=5pE3D8lN7Jk,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]