母の実家へ行ったのは数か月ぶりだった。
庭を見回していると、隣の美容室との境界付近に以前はなかった大きな日よけが設置されていた。
美容室側の窓や庭へ日差しが入らないよう、布を斜めに張っているらしい。
「立派なの付けたんだな」
最初はそれくらいにしか思わなかった。
だが近づいて、妙なことに気づいた。
日よけから垂れた黒いロープが、塀のこちら側まで伸びている。
その先を見ると、地面へ杭のような部品が打ち込まれ、白い結束バンドで固定されていた。
1か所ではない。
塀沿いに何本も並んでいる。
「これ、うちの土地じゃない?」
私は母を呼んだ。
母も驚いた顔で、
「知らないよ。何も聞かれてない」
と言った。
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