朝7時すぎ。
仕事へ行くため玄関へ向かった私は、ドアを見た瞬間に足が止まった。
「え……?」
黒い玄関ドアに、白いペンキが大量に付着していた。
細かな飛沫ではない。
上から液体を浴びせたような太い跡が何本も垂れ、タイルには大きな白い水たまりのような跡まで広がっている。
階段の端や道路側にも飛び散っていた。
私は慌てて家族を呼んだ。
「昨日、何かあった?」
全員が首を横に振った。
前日の午後11時ごろ、私が最後に帰宅した時には何もなかった。
となれば、深夜から早朝の間だ。
最初は近所の工事現場から何か飛んできた可能性も考えた。
だが、玄関ドアへ集中している飛び散り方を見ると、偶然とは思えなかった。
私は掃除しようとする家族を止めた。
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