私の妹は、滅多に泣かない子でした。普段は物静かで、どこか冷静で落ち着いているタイプ。そんな妹が、ある日突然、熱心にある猫種を飼いたいと願い出た時のことは、今でも鮮明に覚えています。彼女がそんな風に何かを欲しがる姿は珍しく、私も少し驚いたのです。両親の許しを得て、私たちは妹の希望を叶えるために、兄の運転でペットショップへ行くことになりました。
ショップには、可愛らしい子猫たちがたくさんいました。小さな足で元気に歩き回る子猫たちを見て、妹はすぐに目を輝かせて、嬉しそうにそれらを見つめていました。でも、そんな中でひときわ目を引く猫がいました。その猫は他の子猫たちとは違って、圧倒的に大きかったのです。
その猫は生後10ヶ月。まだ子猫の域を出ていないものの、他の子猫たちより一回り大きく、ケージの隅で丸くなっていました。どこか孤独そうな目をしていて、他の子たちのように元気に遊んでいるわけでもなく、静かにその場に佇んでいました。それだけでも印象的だったのですが、さらに驚いたことに、その猫には「特価70%OFF」の文字が値札に書かれていました。
妹はその猫を見て、すぐにこう尋ねました。「あの子、売れなかったらどうなるん?」 兄は少し困った顔をして、「……わからん」とだけ答えました。その返答を受けて、妹は「ちょっとトイレ」と言って席を外しましたが、なかなか戻ってきません。私は心配になって、妹を見に行くことにしました。
トイレで、妹は顔を真っ赤にして泣いていたのです。
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