二日前、隣家のおばあさんが静かにこの世を去った。長い間、あの家でおばあさんと一緒に暮らしていた猫が、今、どこに行けば良いのか分からずに迷っている。おばあさんが愛してやまなかったその猫は、突然、家を失ってしまった。おばあさんを失った悲しみの中で、猫が一体どれほど不安だっただろうか。私には想像もつかない。
昨日、近所の人たちがその猫を私の家の玄関先に連れてきた。
「今日中に新しい家が見つからなければ、保護施設に送らなければならない」という言葉を聞いた瞬間、私は心が揺れ動いた。目の前で震えているその猫の迷いに満ちた小さな目が、私に何かを訴えかけているように感じた。あの目に、どうしても見過ごすことはできないと思った。私はその猫を見捨てることができなかった。
「こんなことにはさせられない。」
そう、心の中で決心した。私の家にはすでに三匹の猫がいる。しかし、この猫が家を失っている現実を無視することができなかった。私ができる限り、この猫を迎え入れるべきだと心の底から思った。確かに家は狭いし、手間もかかるだろう。でも、それでもあの小さな命を見捨てるわけにはいかない。
私が猫を引き取る決断をしたその日から、家の中は少しだけ賑やかになった。新しい猫は、まだ戸惑っているようだった。私の家に来てからも、どこにいても不安げな顔をしている。その目には、まだおばあさんを失ったことへの深い悲しみが見て取れるようだった。しかし、私はあの猫に少しずつ安心感を与えるために、できる限りの手を尽くした。
昨夜、私はその猫のために特別な毛布を用意した。
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