「4人家族で月280,740円。医療費も無料で、年末にはボーナスまで?」
SNSで流れてきた画像を見た私は、思わず腹が立った。
毎日働き、税金や社会保険料を引かれ、手元に残る給料は20万円ほど。
「生活保護の方が得じゃないか」
そう書いて画像を共有しようとした時、同僚の美香が画面を見て言った。
「その28万円、全部が自由に使える現金なの?」
私は答えられなかった。
画像には「冬季、住宅扶助・教材費込み」と小さく書かれている。
さらに、作成年月も計算条件も載っていない。
気になった私は投稿を止め、さいたま市の窓口と公的資料で確認することにした。
担当者によると、生活保護費は画像の金額が一律で全員に振り込まれる制度ではない。
年齢、世帯人数、家賃、子どもの学年、障害や病気の有無などから最低生活費を計算し、そこから給与、年金、各種手当などの収入を差し引いた不足分が支給される。
住宅扶助は家賃相当分、教育扶助は給食費や教材費など、目的が決められているものも含まれる。
働いて収入を得た場合も申告が必要だ。
一定の勤労控除や必要経費を除いた収入が保護費の計算へ反映され、収入が最低生活費を上回れば保護は終了する。
「通勤定期が割引になるなら働けるじゃないか」という疑問も、働き始めた瞬間に生活が安定するとは限らないため、就労を続けて自立へ近づける制度として考えられていた。
そして「ボーナス」と書かれていたものの正式名称は、期末一時扶助。
会社員の賞与ではなく、年末年始の一時的な生活需要に対応するため、12月に支給される扶助だった。
私は美香に調べた内容を話した。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください