阿蘇のキャンプ場で一晩仕事をし、朝9時ごろ自宅へ戻った。
疲れ切っていた私は、駐車場を見た瞬間、思わずブレーキを踏んだ。
見覚えのない茶色の軽自動車が、我が家の敷地に堂々と停められている。
家族や友人の車ではない。
しかも、私の車を入れる場所を完全にふさいでいた。
実は、心当たりが1つだけあった。
数日前、近所の女性から「親戚が来るので、留守の間だけ駐車場を貸してほしい」と頼まれていた。
しかし帰宅時刻が分からず、トラブルも避けたかったため、私は丁寧に断っていた。
まさか、「留守なら使っても分からない」と考えたのだろうか。
私は車体とナンバー、家の外観、撮影時刻が分かるように写真を撮った。
念のため、防犯カメラの記録も確認した。
映像には前日の午後8時すぎ、近所の女性が軽自動車を手招きし、我が家の駐車場へ誘導する様子がはっきり残っていた。
私は感情のまま相手の家へ怒鳴り込まず、まず警察へ通報した。
駆けつけた警察官は、ここが私有地であることと、私が車の所有者ではないことを確認。
その場で車両の登録情報を照会し、持ち主へ連絡してくれた。
約30分後、若い男女と近所の女性が慌てて戻ってきた。
女性は開口一番、こう言った。
「昨夜はいなかったんだから、少しくらいいいでしょ」
私は黙ってスマートフォンを取り出し、防犯カメラの映像を再生した。
「私は事前に断りました。それでも、あなたが車を誘導していますよね」
女性の表情が一気に固まった。
運転していた男性は、「使っていいと聞いていた」と説明した。
つまり、近所の女性が勝手に許可を出していたのだ。
警察官から厳しく注意されると、女性はようやく頭を下げた。
車はすぐに移動され、私は別の駐車場で待機するために支払った料金も、相手側から返してもらった。
後日、女性は家族と一緒に改めて謝罪に来た。
私は今後二度と無断で敷地へ入らないことを確認し、そのやり取りも書面に残した。
さらに駐車場の入口へチェーンを設置し、「私有地・無断駐車禁止」の表示と防犯カメラ作動中のステッカーも貼った。
それ以来、無断駐車は一度も起きていない。
留守だから使っていい。
空いているから問題ない。
そんな理屈は通らない。
誰も使っていないように見えても、そこは他人の土地だ。
黙って我慢せず、写真と映像を残して冷静に対応したことで、「少しくらいなら」という勝手な考えを、きっぱり止めることができた。