達彦とよしこは、三年間同棲していた。
長い時間を共に過ごし、先月にはついに結納も済ませたばかりだった。二人にとって、結婚はもう目の前にある未来だったはずだ。
しかし、結納を交わした頃から、よしこの様子が少しずつ変わっていった。
以前なら休日を合わせて一緒に出かけたり、将来の話をしたりしていたのに、最近は突然の予定変更が増えていた。
「ごめん、今日遅くなりそう」
その連絡が来ることも珍しくなくなった。
達彦は最初、結婚準備で忙しいのだろうと思っていた。式場選びや会社での引き継ぎなど、やることが多い時期なのだから仕方ない。
その日も、達彦は仕事を早めに切り上げ、家で待っていた。
しかし、よしこから届いたメッセージは予想外のものだった。
「ごめん、たつひこ。今日遅くなりそう」
「急だな。俺、式場のこと決めようと思って早く帰ってきたんだけど」
「本当にごめん。明日ちゃんと時間作るから」
理由を聞くと、よしこは友人の菜月から相談を受けたと言った。
「菜月ちゃんが急に話を聞いてほしいって泣いてて……放っておけなくて」
達彦は疑わなかった。
菜月は昔から知っている友人だったし、よしこが困っている人を放っておけない性格なのも知っていたからだ。
「分かったよ。でも、あまり遅くならないようにな」
そう返信した直後だった。
スマホに新しい通知が表示された。
「てっちゃん、ごめん。今から行くね。待っててね」
一瞬、意味が理解できなかった。
「……てっちゃん?」
達彦の名前は、たつひこ。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=zK504H9qXvQ,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]