美雪が義実家に行くたびに涙を流して帰ってくる。その姿に心を痛めていた俊輔は、ついにその理由を突き止めることを決意する。彼の手には小さな黒い録音機が握られていた。
最初に気づいたのは、数ヶ月前のある日曜日の夜だった。俊輔はリビングでテレビを見ていたが、美雪がトイレに行ったとき、微かに聞こえるすすり泣きの音が耳に入った。水の流れる音で隠されてはいたが、その泣き声は明らかに抑えきれず、何度も繰り返し聞こえてきた。
俊輔は胸が締め付けられる思いだったが、彼女に何も聞けずにその時は黙っていた。
それから何度も同じことが繰り返され、俊輔はついに決心する。美雪が帰ってきたその夜、彼は録音機を仕掛けることにした。慎重にリビングの飾り棚の裏にそれを隠し、赤いランプが点滅するのを確認した。美雪がキッチンで夕食の準備をしている間、俊輔は何も知らないふりをしてソファに座り直した。

「おかえり、疲れたでしょ?」俊輔は、しばらく話をしない美雪に気を使いながら言った。
「うん、大丈夫。」美雪は無理に作った笑顔を浮かべて答えた。その目には疲れと不安が色濃く表れていたが、俊輔はその時はそれを見逃した。
翌朝、俊輔は録音機を取り戻すため、再び実家に訪れる準備をしていた。車に乗るとき、美雪はいつものように窓の外を見つめ、黙ったままだった。俊輔は話しかけようとしたが、彼女は答えなかった。心の中で何かが引っかかっていることを感じていた。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=9Xn2REw6fzU,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]