朝、カーテンを開けた時、最初は青いものが視界に入ってきただけだった。
何だろうと思って外に出ると、お隣との境界フェンスに大きな浮き輪が何枚も掛けられていた。
しかも、ただ自分の敷地側に干しているという感じではない。
フェンスの上にまたがるように掛けられていて、明らかに半分はこちら側へはみ出していた。
私はその瞬間、胸の奥がざわっとした。
たぶん、これが初めてのことなら、そこまで腹は立たなかったと思う。
「まあ、乾かしたかったのかな」
その程度で流したかもしれない。
でも相手は、あの隣人だった。
去年は園芸用のシートを同じように境界フェンスに垂らしていた。
風が吹くたびに、その端がこちら側へばたばた入り込んでくる。
一昨年は朝顔を植えて、つるや枯れ葉がこちらの敷地へ落ちてきた。
掃いても掃いても、翌朝にはまた増えている。
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