電車に乗った時から、車内はかなり混み合っていた。
座席はほぼ埋まり、通路にも立っている人がいる。
そんな中、ふと優先席を見ると少し変わった使われ方をしていた。
大人が1席に座り、その隣には小さな子ども。
ただし普通に座っているわけではない。
子どもは座席の上で横になり、1席分をほぼそのまま使って眠っていた。
「疲れて寝ちゃったのかな」
最初はそう思った。
小さな子どもなら、移動中に眠くなることくらいある。
ぐずって泣くより、静かに寝ているほうが周囲としても助かる場合だってある。
だから子ども本人に対して腹が立ったわけではなかった。
でも、すぐ横を見ると親は普通に座ったままスマホを触っている。
そしてその前には、立っている乗客がいる。
私はもう一度、座席の上にある表示を見た。
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