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弟夫婦が母の家を荒らし父の形見を売却し…私「お母さんなんで許すの?」母「全部終わったからいいの」大金に浮かれていた勘違い夫婦は…w
2026/08/16

父が亡くなったあとも、実家の離れにあるアトリエには何枚もの絵が残されていた。

父は生前、画家として活動していた。

母にとっても、私たち姉弟にとっても大切な形見だった。

ある日、弟の道治から突然、

「父さんの絵って、いくらくらいで売れる?」

とLINEが来た。

嫌な予感しかしなかった。

道治は昔から金遣いが荒く、その場しのぎで行動するところがあった。

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しかも結婚してから、それはさらにひどくなっていた。

翌日、母に連絡すると、

「今日、道治と奥さんが来たの。絵を飾りたいっていうから何枚か渡したわよ」

と言う。

私は慌てた。

「昨日、道治から“いくらで売れる?”って聞かれたんだよ」

それでも母は落ち着いていた。

「心配しなくていいの。もう全部終わってるから」

数日後、実家へ帰った私はアトリエを見て言葉を失った。

鍵が開いている。

そして父の絵がほとんどなくなっていた。

インターホンの録画には、道治夫婦が何枚もの額を次々と車へ積み込む姿が残っていた。

「お母さん、全部持っていかれてる!」

だが母はまた、

「大丈夫」

と言った。

その数日後。

道治から泣きつくような連絡が来た。

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借金を返すため、アトリエから持ち出した絵を買取店へ持っていったという。

ところが鑑定結果は、

「すべて偽物です」

だった。

父のサインもない。

本物そっくりに描かれた画像を印刷して額に入れただけだという。

私はすぐ母に確認した。

すると母は笑った。

「あれ、私が描いたものよ」

母は仕事でデジタルの背景画を描いていた。

趣味で父の作品を模写し、同じ大きさに印刷してアトリエへ飾っていたのだ。

しかも道治夫婦がそれを本物だと思い込んでいることも、母はすでに知っていた。

本物の作品は、とっくに別の安全な場所へ移してあった。

さらに父と縁のあった人たちにも事情を伝え、もし作品が市場へ持ち込まれたら分かるよう手を回していた。

だから母は何度も言っていたのだ。

「もう全部終わってるから」

道治は、父の形見を盗めば簡単に大金が入ると思っていた。

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借金を返し、余れば遊べるとまで考えていた。

だが手にしていたのは、最初から父の作品ではなかった。

母が守ったのは、絵だけではない。

父が残したものを「売れば金になる」としか見なくなった息子に、これ以上好き勝手させないという一線だった。

その後、道治夫婦は借金と向き合い、自分たちで働いて返していくことになった。

私はようやく分かった。

あの日、母が怒らなかったのは、諦めていたからではない。

怒るより先に、

守るべきものを、すべて守り終えていたからだった。

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