深夜二時十七分、私のスマートフォンがけたたましく鳴り響いた。 「佐藤ヒロシさんのご家族ですか? ご主人と一人の女性が薬物の過剰摂取で運ばれ、現在蘇生措置を行っています」 電話口の救急隊員の焦燥した声に、私はベッドの上で薄く笑った。
結婚五周年の記念日。 私は冷え切ったステーキをゴミ箱に捨てながら、夫・ヒロシのスーツのポケットから見つけた「青い精力剤の箱」の存在を思い出していた。
箱の製造日は今日。購入時間は午後三時。 スマホのGPSアプリは、彼が「残業」と称して都ホテル1708号室のエグゼクティブルームにいることを示していた。 親友である獣医の高橋有紀からの電話で、彼の浮気相手が義弟の妻・鈴木亜紀であることも知っていた。 私は車を飛ばして有紀の動物病院へ向かい、青い箱の中身を「大型犬用の交尾薬」とすり替えたのだ。 「黄色い錠剤」を六粒、丁寧に。
病院の救急外来に駆けつけると、廊下には義弟のタカシがへたり込み、亜紀のスマホを握りしめていた。 処置室からは、ヒロシがストレッチャーで運ばれていくのが見え、隣のベッドには下半身を血で染めた亜紀が横たわっていた。
「ご主人は薬の作用により下肢の血管が破裂し、直ちに切断手術が必要です。女性は子宮から大出血を起こしており、全摘出となります」 医師の言葉に、背後でタカシが気を失って倒れた。 そこへ血相を変えた義母の春江が転がり込んできて、「私の息子に何をしたの!」と私に掴みかかった。
「薬は彼が自分で買ったものです。領収書も財布に入っていますよ」 私は彼女の手首を強く握り返し、スマホの画面を突きつけた。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=si4_rbYPUEA,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]