「勉強だけはできる」と両親に褒めそやされて育った七歳年上の兄・コータは、いつしか傲慢で冷酷な人間へと歪んでしまっていた。名門大学を卒業し、就職と同時に実家を出る際、兄は両親と私に向かって冷たく言い放った。 「こんなレベルの低い人間と同じ家に住み続けるなんて無理だから」
必死に愛情を注いで育ててくれた両親を踏みにじるその侮蔑的な態度に、当時高校生だった私は深い怒りを覚えた。
私は特別優秀ではないが、家族を愛し支えてくれる両親に心から感謝して生きてきた。その後、私は地元の国立大学へ進学し第一志望の企業に就職した。一方、兄は結婚したものの「低レベルな家族に嫁を合わせるのは恥」と妻を一度も連れてこず、完全に実家を見下していた。
そんな平穏を破るかのように悲劇は訪れた。還暦を過ぎた父が末期の胆管癌で倒れたのだ。すでに転移しており手術不能。動揺する母を支えながら、私は兄へ何度も連絡を入れた。ようやく電話に出た兄は、悪びれもせずこう吐き捨てた。 「俺はお前と違ってエリートで忙しいんだよ。死んだわけでもないのに大袈裟だ。面倒だから切るぞ」
その言葉通り、兄は父の見舞いはおろか、父が他界した後の通夜にも葬儀にも一切姿を見せなかった。
ところが葬儀の翌日、兄は突然実家のマンションに土足で踏み込んできた。開口一番、「親父の遺産はどうなった」と詰め寄る兄。母は冷徹な眼差しで、残高がゼロになった通帳を突きつけた。 「お父さんの遺産なんてないわ。生前に全額私の口座へ移し、このマンションの名義も私に変更済みよ」 兄は激高して舌打ちし、そのまま去っていった。父は生前から、冷酷な兄の本性を見抜き、先手を打っていたのだ。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=hWOGNMuf0Wc,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]