「ちょっと、何普通に参列しているんですか?」
その言葉を聞いた瞬間、私は自分の耳を疑った。
白いウェディングドレスに身を包んだ兄の婚約者・カレンさんは、幸せそうな笑顔とは正反対の冷たい目で私たち家族を見下していた。
「貧乏な家族がいると、せっかくの結婚式の格が下がるんですよ。だから、もう帰ってくれません?」
一瞬、会場の空気が止まった。
貧乏家族……?
一体、この人は何を言っているのだろう。
私の名前は二宮明日香。25歳。大手企業で事務職として働いている、ごく普通の会社員だ。
しかし、世間から見れば、私の家庭は決して「貧乏」ではない。
私の父は脳神経外科を専門とする医師だった。大学病院で経験を積んだ後、自分の病院を開業し、多くの患者から信頼されてきた人物だ。
現在は第一線から退き、研究に専念しているが、病院は信頼できる後輩に任せている。
そんな父を見て育った私は、医師という道を選ばなかった。
命を預かる仕事の責任の重さを、自分には背負えないと思ったからだ。
一方、二歳年上の兄・啓太は違った。
兄は昔から成績優秀で、国立大学の医学部に現役合格した。
容姿にも恵まれ、周囲からは将来を期待されていた。
しかし、能力と周囲からの評価は、兄を少しずつ変えていった。
大学に入ってからの兄は、女性関係が派手になり、家族への態度も変わった。
「俺はお前とは違うんだよ」
「出来の悪い妹がいても、優秀な兄がいるだけありがたいと思え」
そんな言葉を、兄は何度も私に浴びせた。
父はそんな兄を心配していた。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=riDEMH-_g5Y,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]