娘を置いて家を出た夜、私は最低限の荷物だけを小さなバッグに詰め、震える手で玄関のドアを閉めた。
「母親なのに、子どもを置いて出ていくなんて」
きっと誰かはそう言うだろう。
でも、あのまま家に残っていたら、私自身が壊れてしまう。そして何より、一番守りたい娘の未来まで壊してしまう気がした。
限界だった。
その言葉が、その時の私のすべてだった。
数時間前のことだった。
娘を寝かしつけ、台所で食器を洗い、翌日の保育園の準備をしていた私は、リビングでスマホを眺めている夫に声をかけた。
「少しだけ手伝ってくれない? 食後の片付けだけでもいいから」
すると夫は顔も上げず、信じられない言葉を返してきた。
「俺より稼いでから文句言えよ」
一瞬、意味が理解できなかった。
私は聞き間違えたのかと思った。
でも、夫は本気だった。
頭の中が真っ白になった。
「私も働いてるよ。共働きでしょう?」
「いや、俺の仕事の方が大変だから」
「だから育児をしなくていいってこと?」
「だって俺は外で稼いでるんだから」
その瞬間、何かが切れた。
育児は「手伝い」ではない。
親として当然の責任ではないのか。
私は32歳。地元の認可保育園で正社員として働く保育士だった。
夫は35歳。中堅商社勤務で、周囲からは「仕事のできる男」と見られていた。
しかし、家の中では違った。
外では評判がいいのに、家庭では何もしない。
典型的な外面だけの夫だった。
結婚して7年。
娘が生まれる前は、まだ優しい人だった。
「俺も育児するよ」
そう言ってくれた時期もあった。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=4USGMVrA81U,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]