一級建築士の資格を持つ俺は、住宅の改築工事を専門に扱う建築会社で働いている。
周囲から見れば、安定した仕事を持ち、普通の生活を送っているように見えるかもしれない。
しかし、俺の心には二年前から大きな穴が空いたままだった。
最愛の妻・地方と、幼い娘・ユアを交通事故で失ったのだ。
二人は青信号の横断歩道を渡っていただけだった。そこへ酒に酔った運転手の車が突っ込み、二人の命を奪った。
事故を起こした男は、警察と共に俺の前で何度も頭を下げ、泣きながら謝罪した。
けれど、どれだけ謝られても、地方とユアが帰ってくることはない。
幸せだった日々は、一瞬で消えてしまった。
俺だけが生き残って、一体何のために生きているのか。
そんなことを考えながら、ただ仕事だけを続ける毎日だった。
ある日、俺は一軒の住宅へ改築工事の下見に向かった。
その家の夫婦は、最初からどこか威圧的だった。
「この家は主人が苦労して建てた大切な家なのよ。傷でもつけたら責任を取ってもらいますからね」
「余計なところは見なくていい。頼んだ場所だけ直してくれればいいんだ」
そんな態度に違和感を覚えながらも、仕事だからと外壁の確認を始めた。
庭の奥へ回った時だった。
古びた物置の陰で、小さな影が動いた。
近づいてみると、そこには二人の幼い女の子が座り込んでいた。
服は汚れ、髪は乱れている。
俺が声をかけようとすると、姉らしい女の子が妹の前に立ちはだかった。
怯えているのに、必死で妹を守ろうとしている。
その姿が、なぜか胸に刺さった。
「ちょっと、まだ終わらないの?」
家主の女性の声が響いた瞬間、二人は手を握り合い、慌ててその場から逃げていった。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=vqyNMD0MLdw,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]