がんと告げられたその日から、私の人生は一変した。30回の放射線治療、6回の化学療法。治療の過程は過酷で、心身ともに限界を感じた日々だった。放射線の痛みや化学療法の副作用で、何度も挫けそうになった。しかし、それでも私は一度も涙を流すことなく、ただ耐え抜いてきた。自分を奮い立たせ、絶対に諦めないと決めたからだ。

それでも、身体はどんどん辛くなっていった。

注射を打たれ、嘔吐に苦しみ、全身が痛む。足は動かず、まるで自分の体ではないような感覚に襲われた。だが、私はそれを無理にでも乗り越えていった。一つ一つの治療を通過点として、少しずつ前に進んでいくしかなかった。

しかし、今日、ついにその治療が終わりを迎えた。病院で「定期受診票」を手に取った瞬間、私の胸の中で何かが崩れ落ちるような感覚がした。それまで必死で支え続けてきた壁が、何かに押しつぶされたかのように感じられた。その瞬間、私は車の中で声を上げて泣き出してしまった。涙は止まらなかった。恐怖でも後ろ向きな気持ちでもなく、ただただ「終わったんだ」という実感が、私を包み込んだのだ。

その日は、私にとって本当に特別な日だった。私はただただ無力感に包まれ、長い間耐え抜いた疲れが一気に襲ってきた。治療の終わりが、私にとってどれほど大きな意味を持っているか、改めて実感したからだ。

そして、その時、私のパートナーが言った一言が、私の心に深く響いた。「君は本当に勇敢だね。」彼は普段、言葉少ない人だ。感情を表現するのが得意ではない。

しかし、その一言が、私が心の中で抱えてきた重荷を少しずつ軽くしてくれた。彼が私の肩をポンと叩いてくれたその瞬間、私は再び前を向く力を取り戻すことができた。

私が苦しんでいるとき、彼は黙って私を支えてくれた。何も言わずに、ただ一緒にいてくれた。私が涙を流している間も、彼はずっとそばにいてくれた。それがどれだけありがたかったか、今でも忘れられない。

彼の存在が、私を支える力となり、そして一歩一歩前に進む勇気を与えてくれた。

治療が終わり、これからは定期的な受診が続く。しかし、私はもう恐れない。あの苦しい日々を乗り越えた自分を誇りに思うし、これからはしっかりと生きていこうと思う。私は新しい一歩を踏み出す準備ができている。

これからの人生をどう生きるか。私は、自分のペースでゆっくりと元の自分を取り戻していきたい。そして、もしよければ、私に「頑張れ」と声をかけてくれると嬉しい。私はその言葉を心に刻んで、これからの人生を一歩一歩進んでいきたい。