看護師1年目の10月、私は突然、師長から呼び出されました。師長のオフィスに入ると、彼女は冷静に、しかしどこか重い口調で言いました。「明日から受け持ちは外します。あなたは清潔ケアや移送などのフリー業務に回ってください。」
その瞬間、頭が真っ白になりました。声が出なかった。言われていることが理解できなかったのです。フリー業務、つまり看護師免許がなくてもできる仕事に回されるということは、実質的に看護師としての職を失うことと同じです。
こんな形で、自分の看護師人生が終わるのかと思うと、ショックで体が震えました。
その日、仕事中もそのことばかり考えてしまい、何も手がつきませんでした。家に帰っても、涙が止まらなかった。私は他の同期のように普通に受け持ち業務をこなすことができない自分がすごく惨めで、悔しくてたまりませんでした。周りの「普通」が私にはできないことが、なぜこんなにも辛いのか。自分が看護師としての職に向いていないんじゃないかと、自己嫌悪がどんどん深まっていきました。
あの日を思い出すと、今でも胸が苦しくなります。できることなら、この記憶を消してしまいたいと思う時もあります。しかし、振り返ってみると、あの時に受け持ちを外されたことが、私にとっては転機となったのです。
確かに、その時はとても辛かった。看護師としての誇りが傷つき、心の中で「私は看護師に向いていない」と何度も自分に言い聞かせました。でも、あの経験があったからこそ、思い切って急性期の病院を辞める決断ができたんです。今、私は新しい病院でリーダー業務を任され、充実した日々を送っています。
もし、今悩んでいる看護師の方がいるなら、私は一度だけでいいから、別の病院を経験してみることをおすすめしたいと思います。
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