38歳になった私は、大きくつまずきました。10年続いた結婚生活に終止符を打つことになり、そして次には腫瘍が見つかりました。人生は時に、想像もしていない方向へ進んでいくものだと痛感する日々が続いています。どこかで、私がこれまで大切にしてきたものが崩れ去っていくのを感じていましたが、まさかこんなに短期間で立て続けに二つの大きな試練が訪れるとは思ってもいませんでした。
離婚のことで両親にはすでにたくさん心配をかけていたので、病気のことは伝えませんでした。どうしても、これ以上彼らを怖がらせたくなかったのです。それでも私はひとりで病院に向かいました。怖さや不安が胸を締め付ける中、私は必死で自分を支えながら、ひとりで手術のための検査を受ける日々が続きました。病院の廊下を何度も行き来し、診察室を行き来するうちに、心は限界寸前まで追い込まれていました。
離婚の時には一滴の涙も流さなかった私。しかし、病院の一室で看護師さんがカミソリを手に取り、私の髪をそっと剃り始めたその瞬間、私の体は震えるほど泣いてしまいました。涙は止まらず、まるで自分が今まで積み重ねてきた苦しみや疲れが、一気に溢れ出てきたような感覚でした。
看護師さんは何度も手を止めて、優しく「この手術はリスクは高くありませんよ」と声をかけてくれましたが、私はその言葉には全く耳を傾ける余裕がありませんでした。私が泣いていた理由は、手術そのものではなかったのです。泣いていたのは、これまで必死に乗り越えてきた自分が、なぜまたこの泥沼に引き戻されるのかという悔しさと、ずっと強がってきたけれど、実は心の奥でとっくに疲れ切っていた自分自身を思ったからでした。
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