「乳がんが見つかった日、私は婚約者と別れました。」
これ、比喩でも何でもなく本当の話です。
年明け、当時3年付き合って婚約までしていた彼と、週末に温泉へ行きました。
のんびりした空気の中、お風呂あがりに自分で胸を触ったら、右胸に小さな“しこり”みたいなものがあるのに気づいたんです。
いやな予感がして、その夜ずっとスマホで検索。
「もしかして乳がん?」と震えながら彼に話したら、
「考えすぎだって。若いんだから大丈夫だよ」
軽く笑われました。
でも、どうしてもモヤモヤが消えなかった。
身体のどこにも落ち着く場所がない感じで、一晩中眠れませんでした。
翌朝、仕事を休んで1人で病院へ。
診察室で女医さんに触診してもらうと、すぐ表情が変わりました。
「うーん……ちょっと嫌な硬さですね。
念のため、エコーと針生検を受けましょう」
その言葉で、余計に怖くなって、
すぐ彼にテレビ電話しました。
「ねえ、本当に怖い。もし悪かったらどうしよう」
彼は車で駆けつけてくれて、そのまま大きな病院へ。
エコー検査の画面を見ていた若い先生が、眉をひそめて一言。
「悪性の可能性が高いです」
そのあとすぐ針生検。
胸に刺さる痛みより、「がん」という言葉のほうがずっと痛かった。
数日後、結果は「乳がんステージⅡ」。
頭が真っ白になりました。
この時点で、知っていたのは私と彼だけ。
親には余計な心配をかけたくなくて、検査に行くことすら黙っていました。
……のはずだったのに。
確定診断の日の夜、なぜか両親から電話が鳴りっぱなし。
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