抗がん生活、5年目を迎えた今、私はこうしてここにいます。がんが見つかる前、周りの人々はよく私をこう言っていました。「明るくて、きれいで、家庭にも恵まれていて、ご主人にも大切にされているね」と。その時は、そんな言葉が当たり前だと思っていました。幸せな日常が、ずっと続くものだと信じていたからです。
しかし、「非小細胞肺がん・進行期」と告げられた日から、私の世界は一気に色を失いました。
あの日、病院での診断を受けた瞬間、まるで時間が止まったかのように感じたことを今でも鮮明に覚えています。PET-CTの結果には、胸膜と骨への転移が確認され、胸水がたまっていることが分かりました。息を吸うたびに胸が針で刺されるような痛みが走り、横になって眠ることさえできなくなったのです。
がん専門病院の主治医は、画像をじっと見つめながら、静かに首を振りました。「全身に広がっています。手術は現実的ではありません。抗がん剤も、効果は限定的でしょう……余命は、半年ほどと考えてください。」その言葉を聞いた瞬間、私の中で何かが崩れ落ちるような感覚がありました。あの日から、私はもう一度自分の人生が終わってしまうかもしれないという恐怖と向き合わせられることになったのです。
最初の3クールの治療で、私はまるで別人になったかのようでした。外見を気にしてきた私にとって、洗面所の鏡に映るごっそりと抜け落ちた髪を見ることは耐え難いものでした。気づけば、涙が溢れ、ただ黙って私を抱きしめる夫の腕の中で泣き崩れるばかりでした。口内炎で水すら飲むことができず、骨の痛みで夜を明かす日々が続きました。
その時、私は何度も「もうやめたい」と思いました。
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