釣具店の棚に並ぶ、黒く高級感のある小さなボトル。「プロ仕様」「驚異の集魚力」「勝つための秘密兵器」そんな文字を見た瞬間、思わず手に取ってしまった経験はないだろうか。価格は二千八百円。決して安くはない。だが、釣果が上がるなら仕方ない。多くの釣り人はそう自分に言い聞かせてきた。しかし、もしその中身がホームセンターの車用品売り場で八十円で売られているボトルと、ほとんど同じものだったとしたらどうだろう。
この疑惑は、ある実証試験によって一気に現実味を帯びた。舞台は霞ヶ浦。鉛色の空、冷たい北風、魚の反応が極端に鈍る厳しい条件だった。最初の二日間、通常のルアーでは反応はゼロ。追尾も、バイトも、生命感すらない。参加した調査チームの空気は重かった。三日目、彼らはルアーにある液体を塗布した。釣具店で売られる高額アトラクタントに含まれるとされる成分と、ホームセンターで購入した安価なグリセリン系ボトルを比較するためだった。結果は衝撃的だった。四十七分で七匹。ブラックバス、ニジマス、ヘラブナが次々と反応した。しかもバイトの多くはルアーから数メートル以内で発生していた。魚が広範囲から匂いに引き寄せられたというより、目の前の“弱った餌”として認識したような反応だった。
鍵となるのは、魚が本能的に反応するとされる化学シグナルだ。傷ついた小魚やエビ、ザリガニから漏れ出る匂い成分は、水中の捕食魚にとって「食べられる獲物がいる」という合図になる。その匂いをルアー表面に固定するために使われるのが、粘度のあるグリセリン系の液体である。問題はここからだ。原文によれば、独立調査で高額な釣具用ボトルと安価な車用品ボトルを分析したところ、主成分はどちらもグリセリン系であり、水への広がり方や保存性にも大きな差は見られなかったという。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=sM5P_AlzRyU,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]