先日、妻が夜中に突然倒れました。
さっきまで普通にテレビを見ながら、「お風呂入ったら教えてね」なんて他愛もない話をしていたのに、
急に「頭が割れそうに痛い」と言って、そのまま崩れ落ちたんです。
救急車で近くの市立病院に運ばれて、すぐに検査。
そのあと、もっと設備の整った大学病院に転院。
医師から告げられたのは「脳幹出血」という言葉でした。
担当医は淡々とした口調で、
「かなり危険な状態です。手術をしても助かる可能性は高くありません。
ご家族として、覚悟を持って決めてください。」
そう説明してくれました。
たぶん、医師としては誠実に、現実を伝えてくれたんだと思います。
でも、そのときの私には
「やっても無駄かもしれない」=「あきらめたほうがいい」
と聞こえてしまったんです。
その足で、近所の神社にも行きました。
お祓いをお願いしたり、知り合いに紹介された占い師さんにも相談しました。
みんな口を揃えて言うのは、
「かなり厳しい」「無理をして延命しないほうがいいかもしれない」。
頭ではわかっているつもりでした。
でも、「助からない」「救えない」と繰り返し言われるたびに、
心のどこかを一枚一枚、剝がされていくような気がしました。
それでも、私は夫です。
私がここで「そうですか」と引き下がったら、
この家は、その瞬間に終わる気がしました。
子どものこと、親のこと、家のローン、生活。
全部まとめて、私の肩にのしかかってくる。
それでも一番怖いのは、
「自分があきらめたせいで、妻を見捨てたことになるんじゃないか」
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