余命わずかと言われ、涙を流していた女子高生が真っ青な顔で胸を抱えてしゃがみ込む。俺が清掃員として働いていた病院のロビーで、その娘はそのまま意識を失って床へと倒れ込んだ。驚愕した俺はすぐに主治医に連絡を入れた。

「先生、大変です。女子高生が倒れました！早く来てください！」

主治医は慌てて駆けつけたが、彼女の状態を確認すると顔色を変えて焦燥感をあらわにした。

「まずいぞ、このままじゃあと十分も持たない。何とかならないのか...」

俺はその言葉に強い憤りを感じ、主治医に食ってかかる。

「先生、このまま見捨てるんですか？何とかならないんですか？」

だが、主治医は顔をさらに曇らせた。

「無理だ、あの術式は俺には荷が重すぎる...」

主治医は昔から優秀な医者として知られていた。しかし、その彼ですら恐れるほど難しい手術のようだ。彼が恐怖を抱くその状況に、諦めるわけにはいかないという思いで、俺は意を決して言った。

「なら、俺がオペをする。十分もあれば余裕だ。」

その瞬間、主治医は予想外の言葉に驚きを隠せない顔をした。

「お前、本気で言っているのか...？」

「本気だ。彼女を救いたいんだ。」

そうしてその手術が、誰も想像しなかった未来の幕開けとなった。

約30代後半の俺は、病院で清掃員として働いている。この仕事に初めて挑むことになったが、実際は思った以上に奥が深いもので、考えさせられることが多い。

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