今回は、うちの長男(ここでは「ハル」とします)の手術の話です。
淡々と書こうと思っても、どうしても胸の奥がざわつきます。
ハルの原発の腫瘍は、すねの骨のかなり下のほう、
ほとんど足首に近いところまで広がっていました。
整形外科の先生の説明は、ものすごく冷静でした。
「この部分の骨をいったん全部取り出して、
手術室の隣にある装置で高線量の放射線を当て、
残っているがん細胞を徹底的にたたきます。
それから、同じ骨をまた戻して固定します。
手術時間はおよそ 8 時間を想定しています。」
8 時間。
先生にとっては「よくある長時間手術」の一つかもしれません。
でも親にとっては、
「8 時間もこの子の命を預ける」という現実でしかありませんでした。
手術の前には、また検査のやり直し。
血液検査、レントゲン、心電図。
そのたびに、
「ああ、この子は本当に大きな病気なんだ」と
嫌でも突きつけられる。
一番大変だったのは、MRI でした。
じっとしていられない子どものために、
先生たちはまずシロップタイプの鎮静剤を飲ませてくれました。
少しピリッとするような味の薬。
大人でも「うっ」となるあの感じ。
ハルは顔をしかめながらも、ごくごく飲み干しました。
「これで少し眠くなるからね。」
そう声をかけられてから検査室に向かったのに、
いざ台に寝かせてみると、
機械の「ゴンゴン」という音が怖いのか、
体がむずむずしてくるのか、
どうしてもじっとしていられない。
一度目、失敗。
「じゃあ、もう少し時間をおいてみましょうか。
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