夕食の席で息子が突然放った言葉に、私は箸を置いた。
一瞬、聞き間違いかと思った。しかし隣に座る嫁は、当然のことのような顔をしている。
「……無理よ」
私は迷うことなく答えた。
私たち夫婦は、長年働きながら少しずつ築いてきた二階建ての一軒家で暮らしている。老後を快適に過ごすため、昨年には思い切ってリフォームもしたばかりだった。
夫婦二人で静かに暮らすには十分すぎる広さ。
休日には夫と家庭菜園を楽しみ、穏やかな毎日を送っていた。
そんな生活が、まさか息子夫婦の一言で大きく揺らぐことになるとは、その時の私は想像もしていなかった。
私は住宅リフォーム会社で事務員をしている48歳。3歳年上の夫は、口数こそ少ないものの、いつも私を支えてくれる優しい人だ。
息子は26歳。幼い頃は素直で可愛い子だったが、昔から少し甘えん坊なところがあった。自分の意見を強く言うタイプではなく、周囲に流されやすい性格だった。
そんな息子が3年前、一つ年上の女性と結婚した。
結婚前、息子は「彼女はしっかり者だから大丈夫」と言っていた。妊娠の報告を受けた時も、「俺が家族を守る」と力強く話していた。
その姿を見て、私は心から安心したものだった。
そして孫が生まれた。
その喜びは言葉では表せないほど大きかった。
産後の嫁が疲れている様子を見て、私は優しい気持ちで言った。
「無理しないでね。いつでも手伝うから」
まさか、その言葉がすべての始まりになるとは思わなかった。
最初は本当にただの手助けだった。
息子から「嫁が夜泣きで眠れていないから、仕事中だけ子供を見てもらえないか」と頼まれれば、私は喜んで駆けつけた。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=ss53ZfYosbE,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]