海の高級食材・アオリイカとは?春と秋に狙いたい“沿岸の王者”
日本の沿岸で釣れるイカの中でも、特に釣り人を夢中にさせる存在がいる。
それが、アオリイカである。
分類上はツツイカ目ヤリイカ亜目ヤリイカ科に属し、学名は 。地域によっては、モイカ、バショウイカ、ミズイカなどとも呼ばれている。呼び名が多いことからも、日本各地の海で古くから親しまれてきたイカだと分かる。
分布は北海道南部以南の沿岸部。つまり、日本の多くの地域で出会える可能性がある身近な存在でありながら、その価値は決して低くない。むしろ、イカの中でも最高級の食材として扱われることが多く、市場でも高い評価を受けている。
アオリイカの特徴は、まずその堂々とした姿にある。胴の長さは最大で40〜50センチほどにもなり、2キロを超えれば大物と呼ばれる。幅の広い胴、半円形に広がるヒレ。そのヒレを波打たせるようにして泳ぐ姿は、魚とは違う静かな迫力がある。
生きている時の体は半透明で、海の色に溶け込むような美しさを持つ。しかし釣り上げられて命を終えると、体色は白く濁ったように変わる。その変化もまた、アオリイカが生き物として非常に繊細であることを感じさせる。
釣りの対象としても、アオリイカは特別だ。
主な釣期は二つある。ひとつは4〜6月。産卵のために大型の個体が浅場へ上がってくる季節で、釣り人にとっては大物を狙える重要な時期である。もうひとつは9〜12月。夏に生まれた小型のアオリイカが育ち、岸からでも狙いやすくなる秋のシーズンだ。
普段のアオリイカは比較的深い場所にいる。しかし春から夏にかけては産卵のため、浅場の岩礁域や海藻の生えた場所へ近づいてくる。
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