冬の海で、釣り人たちを静かに熱くさせる魚がいる。
その魚の名は、メバル。
名前の由来にもなっている大きな目を持ち、夜の岩礁帯や海藻の間をゆっくり泳ぐ姿は、どこか神秘的である。派手に走る青物のような迫力はない。だが、一度釣り始めると不思議なほど夢中になる。
小さなアタリを拾い、暗い海の中から一匹ずつ引き出す感覚が、メバル釣りの大きな魅力だ。
メバルは、スズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属に分類される魚である。現在では、アカメバル、クロメバル、シロメバルの3種の総称として扱われている。以前はひとつの種類と考えられていたが、近年になって分類が整理された。
分布は北海道南部から九州にかけての沿岸部。日本の多くの地域で出会える身近な魚だ。釣れるサイズは20センチ前後が多いが、大きいものでは35センチを超える個体もいる。メバルは成長が遅い魚で、5歳になっても20センチほどにしかならないことがある。
そのため、良型のメバルには長い時間を生き抜いてきた重みがある。
釣期は一年を通してあるが、特に盛り上がるのは11月から4月ごろ。寒い時期の夜釣りで狙う魚として、メバルは昔から人気が高い。冬の冷たい風の中、堤防の常夜灯周りや岩礁帯に立ち、静かな水面を見つめる。すると、ふいに竿先が小さく震える。
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