地方都市の外れ、人の気配が少ない静かな場所に、一つの動物愛護センターが建っていた。
その名は「希望の丘」。
しかし、その名前とは裏腹に、施設の中には消毒液の匂いと、行き場を失った動物たちの寂しげな空気が漂っていた。
犬舎では、さまざまな鳴き声が響いている。
新しい家族を求める声。
人間への不安から震える声。
そして、誰にも届かない悲しみを抱えた声。
そんな中、誰も近づこうとしない場所があった。
犬舎の最も奥。
太陽の光さえ届きにくい暗い一角に、特別に強化された鉄格子の檻が置かれていた。
その中にいたのは、一匹の巨大な秋田犬だった。
黄金色の毛並み。
太く力強い首。
全身に残る無数の傷跡。
その姿は犬というより、小さな熊を思わせるほどの迫力だった。
名前は「龍」。
職員たちがそう呼ぶようになった理由は、山中で発見された時の姿だった。
泥と血にまみれ、首には古い縄の跡が残り、人間への強い恐怖と怒りをむき出しにしていた。
保護しようとした職員は負傷し、龍は麻酔銃を使ってようやく捕獲された。
それ以来、半年間。
誰も彼の心を開くことはできなかった。
「龍はもう救えないのでしょうか……」
新人職員の田中が小さな声で呟く。
ベテラン職員の佐藤は、檻の中でこちらを睨みつける龍を見つめながら、静かに答えた。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=ZPwdhOEVfP0,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]