弁護士としての日々に追われ、若き頃は地方試験の勉強に明け暮れていた。音楽や芸能に目を向ける余裕などなく、X JAPANやYOSHIKIの存在も、正直なところ全く知らなかった。それがある晩、人生の予想外の扉を開くことになるとは、その時の私は知る由もなかった。
招待されたのは、南青山の寿司店。島田慎介氏が回転寿司の披露を兼ねて、私と松本アナウンサー、そして数名の知人を招いてくださったのだ。
個室で酒と寿司を楽しんでいると、店員が駆け寄り「まもなくYOSHIKIさんが来店されます」と告げる。私はその名前に戸惑い、慎介氏に尋ねた。「この方、どのような方ですか?」
慎介氏はにやりと笑い、「多分、ドラムをされる方かもしれませんね」と答え、さらに冗談めかしてこう付け加えた。「来られたら、割り箸でドラムみたいに叩かせてみたら、すぐ分かりますよ」——私はその場で軽く頷くしかなかった。知らぬが仏、まさかこの一言が後の壮大なエピソードの始まりになるとは。
やがてYOSHIKIが現れた。黒いスーツに身を包み、静かに私たちの前に座る。慎介氏の言葉を思い出し、私は少し戸惑いながらも割り箸を手渡した。
「すみません、ちょっとこれ、ドラムのように叩いてもらえますか?」緊張と興奮の入り混じる空気の中、YOSHIKIは微笑み、箸でテーブルを打ち鳴らす。その音は、静かだが確実にリズムを刻み、個室に不思議な空気を満たした。
その瞬間、全員が息を呑んだ。慎介氏も笑みを浮かべ、私を見て微妙に頷く。私は完全に「はめられた」ことを理解した。
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