「住宅ローン、今月で完済したよ」
その言葉を伝えた時、私は少しだけ期待していた。
長年頑張ってきたことを、夫の義弘や義両親にも認めてもらえるかもしれない。家族四人で暮らすために建てた二世帯住宅。そのために私は仕事を続け、節約を重ね、予定より十年も早くローンを終わらせたのだから。
しかし、夫の反応は驚くほど淡白だった。
「へえ、思ったより早かったな」
たったそれだけ。
「繰り上げ返済したからね。これからは貯金も増やせると思う」
そう話しても、義弘は興味なさそうにスマホを見ながら、
「まあ、その辺は後で考えればいいだろ」
と言うだけだった。
当時の私は知らなかった。
この住宅ローン完済が、私の人生を大きく変えるきっかけになることを。
数日後、仕事から帰宅すると、家の中は妙に静かだった。
義両親の部屋にも、夫の部屋にも誰もいない。
「みんな、どこに行ったの?」
夫に尋ねると、義弘は悪びれる様子もなく答えた。
「父さんと母さんを連れて温泉旅行に来たんだよ」
「……私、何も聞いてないんだけど」
「俺の親孝行なんだから、いちいち言わなくてもいいだろ」
親孝行自体を否定するつもりはなかった。
でも、一緒に暮らしている家族に何の相談もなく、突然三泊四日の旅行へ行く。それはあまりにも身勝手だった。
しかも、旅行先を聞いても、
「今から貸切露天風呂に行くから、もう返信しない」
そう言って連絡を切られた。
その直後、偶然見てしまった義母とのメッセージ。
そこには信じられない会話が残されていた。
「これから彼女と貸切露天風呂に行く」
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=VUEK7q3fpYY,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]