「明穂、大変だ。大変なことが起きた」
突然、夫の宗一から震えた声で電話がかかってきた。
「どうしたの? そんなに慌てて」
「母さんが……心臓麻痺で倒れた。まだ53歳なのに、急すぎるんだ」
その言葉を聞いた瞬間、私は息をのんだ。義母は私にも優しく接してくれる大切な人だった。すぐにでも駆けつけたいと思ったが、宗一は続けた。
「父さんはもう亡くなっている。
長男の俺がしっかりしないといけないから、実家に行ってくる」
さらに宗一は、まるで私を安心させるように言った。
「明穂は大阪出張中だろ? わざわざ帰ってこなくていい。俺が母さんのそばにいるから」
私はその言葉に違和感を覚えた。
なぜか、妙に帰ってこなくていいと言うことを強調しているように感じたのだ。
数時間後、宗一から連絡が来た。
「母さん、なんとか持ち直した。でも入院が必要らしい。しばらく実家から病院に通うことにする」
私は義母のことを心配しながらも、夫の行動を信じるしかなかった。
しかし、その直後だった。
「ねえ、宗一」
「何?」
「あなたのお母さんだけど……今、たこ焼きを吹き出して怒ってるよ」
「……え?」
私は思わず笑いそうになった。
「たこ焼き? どういうこと?」
実はその時、私は大阪にいた。
義母と義姉と一緒に、大阪旅行を楽しんでいたのだ。
宗一には「大阪出張」と伝えていたが、土日は仕事がないと会社に確認済みだったため、義母と義姉が観光に来ることになり、午前中に新大阪駅で合流していた。
そして今、私たちは道頓堀で食べ歩きをしていた。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=pKC1kp3SFcc,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]