祖父の部屋を片付けていた時、私は古い箱の奥から1枚の小さな紙を見つけました。
茶色く変色した薄い紙。
角は擦り切れ、ところどころに時代を感じる傷があります。
最初は、
「昔のレシートかな?」
と思いました。
でも、よく見るとそこには見覚えのある文字がありました。
「りょうやこな」
そして中央には、
「16銭」
という数字。
さらに下には、
「NAGOYA TO TOKYO」
「THIRD CLASS」
という英字も印刷されていました。
私は思わず手を止めました。
「これ……切符じゃないか?」
祖父は鉄道が好きな人でした。
子どもの頃から、昔の話をよく聞かせてくれました。
戦前の駅の風景。
蒸気機関車の音。
駅員さんが硬い切符に穴を開けていた時代。
そんな話を聞きながら育った私は、その瞬間にある疑問が浮かびました。
「もしかして、これは100年前の切符なのでは?」
家族に見せると、みんな驚きました。
「本当にそんな古いものなの?」
「祖父が大切に残していたなら、何か理由があるかもしれない」
しかし、年代については簡単には判断できません。
古い硬券は、発行された年代や路線、料金表示などを調べないと正確には分かりません。
鉄道の硬券は長い間使われてきたもので、戦前や昭和初期のものも現在まで残っています。コレクターの間でも、駅名や料金、印刷形式などから年代を調べることがあります。
私は写真を撮り、鉄道好きの知人にも相談しました。
すると、
「これは普通の紙切れではない」
と言われました。
そこから家族で調査が始まりました。
まず確認したのは、祖父がこの切符を持っていた理由です。
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