予約していた料理店へ入ると、入口に2枚の大きな張り紙があった。
「香水・強い香りを身にまとってのご来店は、他のお客様のご迷惑や体調不良につながるため、入店をお断りしております」
さらに下には、赤い文字で書かれていた。
「香水お断り。お連れ様、ご予約様でも来店お断りします」
ここまで明確に書く店は珍しい。
私は少し厳しすぎるのではないかと思いながら、カウンター席へ座った。
店内は12席ほどで、厨房と客席の距離が近い。
最初に出されたのは、薄い色の出汁だった。
口へ運ぶ前から、昆布と削り節の繊細な香りが立っていた。
その直後、予約客らしい男女が店へ入ってきた。
扉が開いた瞬間、甘く濃い香水のにおいが店内へ広がった。
店員は女性へ近づき、静かに声をかけた。
「恐れ入りますが、本日はご入店いただくことができません」
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください