午後6時40分、最後のお客様を見送ったとき、サロンの駐車場に見覚えのない黒い車が停まっていた。
スタッフにも確認したが、誰の車でもない。
入口には「サロン利用者専用」と表示してある。近所の店を回って尋ねても、持ち主は見つからなかった。
午後8時50分。閉店時間を過ぎても車は動かない。
私は警察へ連絡した。
到着した警察官はナンバーを確認し、周辺へ拡声器で3回呼びかけた。
「お車を移動してください」
それでも応答はなかった。
「このままでは明日の営業に支障が出ます。移動できませんか?」
私が尋ねると、警察官は首を横に振った。
「事件性が確認できない私有地内の車を、今すぐ警察がレッカーするのは難しいです」
「では、タイヤをロックしても?」
「車には触れないでください。傷が付けば、逆に問題になる可能性があります」
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