買い物帰りの午後だった。私は娘の手を引きながら、次に立ち寄る店としてダイソーへ入った。店内は明るく、通路には季節用品やお菓子、生活雑貨が整然と並び、いつものように多くの客でにぎわっていた。娘はまだ幼く、先ほど別の店で買ったお菓子を大事そうに手に持ったままだった。私はそのことを気にしつつも、短時間なら問題ないだろうと軽く考えていたのである。
ところが、その油断が思わぬ騒動を招いた。店内を見て回ったあと、娘が私より一歩先に店の外へ出ようとした瞬間、背後から鋭い声が飛んだ。
「会計してませんよね?」
振り返ると、店員が厳しい表情でこちらを見ていた。突然のことに私は一瞬言葉を失ったが、すぐに事情を説明しようとした。
「あ、これは別の店で買ったもので……」
しかし、店員は私の言葉を遮るように、冷たく言い放った。
「嘘はいいので、こちらへ来てください」
その一言で、周囲の空気は一気に凍りついた。近くにいた客の視線が集まり、私はまるで万引きを疑われた犯人のような立場に追い込まれた。娘も異変を察したのか、手にしたお菓子を握りしめたまま不安そうに私を見上げていた。
身に覚えのない疑いをかけられる悔しさと、娘の前でこんな状況になってしまった情けなさで、胸の内は激しく揺れていた。
店員に案内され、私たちは事務的な口調のまま確認を受けることになった。だが、いくら説明しても、最初から疑ってかかっている相手にはなかなか届かない。別の店で購入したと伝えても、「では証拠はありますか」と迫られる。
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