長年勤めてきた会社を、俺は誰よりも大切にしてきた。
入社してから二十五年。営業、企画、管理部門とさまざまな部署を経験し、気が付けば会社の内部事情を誰よりも理解する立場になっていた。
後輩の面倒を見ることも、取引先との関係を守ることも、自分の仕事だと思っていた。
しかし、そんな無理の積み重ねが、ついに俺の身体を壊した。
数か月前、深夜まで続く資料作成と休日返上の対応が続いたある日、会社で突然意識を失った。
医師から告げられたのは「過労による入院」。
「このまま続けていたら、本当に危険でしたよ」
その言葉を聞いた時、俺は初めて自分が限界まで追い込まれていたことに気付いた。
入院中、会社からは最低限の連絡しかなかった。
もちろん、迷惑をかけているという申し訳なさはあった。
だが同時に、二十五年間会社のために働いてきた自分が、少し休むだけで忘れられてしまうような存在だったのかと思うと、寂しさも感じていた。
そして数か月後。
医師から仕事復帰の許可が出た俺は、久しぶりに本社へ戻ることになった。
正面玄関をくぐった瞬間、懐かしい空気が胸に広がった。
「戻ってきたんですね」
声をかけてくれる社員もいた。
しかし、以前とはどこか雰囲気が違っていた。
何人かの社員は俺を見るなり、気まずそうに目を逸らした。
その理由を俺はまだ知らなかった。
俺が休んでいる間、会社には新しい部長が赴任していた。
若くして幹部候補になった、いわゆるエリート社員。
名前は高城美咲。
海外勤務経験もあり、数字に対する厳しさで有名な人物だった。
「結果を出せない人間は必要ない」
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=07mRW6624jA,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]