俺の名前は永田タル。印刷会社に新卒で入社し、もう七年ほど経つ。主な仕事は受注した印刷の確認と印刷部への発注。特に目立った業績もなく、可もなく不可もない存在として社内で知られている。

そんな俺が働いている職場に、新年度、新人社員がやってきた。その中に一人、目を見張るほど美人な女性がいた。名前は南雲佳。花が咲いたような笑顔で挨拶をする彼女は、間違いなく人気者になるだろうと思っていたが、これは俺の大きな勘違いだった。南雲さんは、数ヶ月の研修中に予想以上の時間を要し、ミスも多かった。

俺が行っているような単純作業でさえ彼女にとっては一苦労だった。時間がかかりすぎる上、それが彼女をますます孤立させ、他の新入社員たちとのギャップも広がるばかりだった。

ある日、研修担当の社員が、緊張している南雲さんに声をかけた。「おい、もう五分しか残ってないぞ。データ不備なんて、そんな初歩的なミスしてどうする！」大きな声で野次を飛ばされた彼女は内心で泣くのを必死にこらえていた。このままではいけないと思った俺は立ち上がり、「待ってください。五分もあれば十分です」と言って壇上に立った。

「俺に任せて」

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