中国が建てたはずの8階建てアパートが、まるで砂山みたいに崩れていた。瓦礫の下には、父と母と8歳の子ども――家族が一瞬で消えたという。現場で拾ったコンクリ片は、手で触れただけでボロボロと崩れた。私はその瞬間、「これは事故じゃない。構造の裏切りだ」と背筋が冷たくなった。
――私はロバート・アンダーソン。建設工学の立場で世界中の現場を見てきたが、ここまで“あってはいけない崩壊”は初めてだった。
モンゴル大統領は緊急会見で言い切った。
「本日から中国の建設会社を全面追放する」
会場がざわついた。中国側の記者が理由を問うと、大統領の答えは短かった。
「国民が亡くなった。中国が建てた建物のせいで」
調査報告書を読んだ私は言葉を失った。鉄筋使用量はわずか48%。基準の半分にも満たない。セメント配合も基準以下。品質検査の書類は偽造――“検査したことにして合格印”が押されていた。さらに恐ろしいのは、その会社がモンゴル国内で建てた建物が47件もあることだった。
アパートだけじゃない。学校、病院、公共施設まで含まれていた。緊急調査の結果、47件中38件が手抜き工事判定。数字が示すのは、怒りではなく「日常の危険」だった。千人以上が通う学校が、いつ崩れてもおかしくない――想像しただけで息が詰まった。
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