俺の名前は星田英一、二十五歳。社会人三年目の会社員だ。仕事にもようやく慣れてきた頃で、毎日それなりに忙しくはあるものの、平穏な一人暮らしを送っていた。そんな俺の日常が少しずつ変わり始めたのは、隣の部屋に引っ越してきた女子大生・楓と出会ってからだった。
ある日の仕事帰り、アパートの自室の前に真っ白な猫がちょこんと座っていた。
人懐っこい猫で、俺がしゃがんで声をかけると、警戒するどころか尻尾を揺らしながら近寄ってくる。昔、実家で猫を飼っていたことを思い出し、思わず頭を撫でていると、突然、隣の部屋のドアが勢いよく開いた。
「きゃっ……!」
現れたのは、隣に住む楓だった。どうやら風呂上がりだったらしく、髪は濡れていて、慌てて飛び出してきたのが一目でわかった。彼女は猫の姿を確認すると安心したように息をのみ、しかし次の瞬間、自分の格好に気づいたのか、顔を真っ赤にしてそのまま部屋へ戻っていった。俺もさすがに気まずくなり、何も見なかったことにしようと決めて、自室へ入った。
翌朝、出勤しようと玄関を開けると、ちょうど楓と鉢合わせた。
昨夜とは打って変わって、きちんとした服装の彼女は少し恥ずかしそうに頭を下げた。
「昨夜はごめんなさい。あの子、うちの猫なんです。探してたので助かりました」
「いや、ちょうど部屋の前にいたから相手をしてただけだよ」
そう答えると、楓は心底ほっとしたように笑った。その拍子に、彼女の手にしていた紙が床に落ちた。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=QNrlNPqxs_c,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]