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事故直後に言われた「警察呼ばないで」——その一言がすべてを物語っていた
2026/01/26

「お金払うから、警察呼ばないで。」

事故直後、息子に向かって相手が最初に言った言葉がそれだった。
「大丈夫?」でもなく、「怪我ない?」でもない。
ただ、“警察を呼ぶな”。

その時点で、もう何かがおかしかった。

相手は落ち着きがなく、自賠責の証書を見せてと言われても出せない。

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「家にある」「後で持ってくる」
言葉だけが増えていく。
その後、電話はつながらなくなった。

私は正直、事故よりも頭が真っ白だった。
どうすればいいのか分からない。
でも、なぜか一つだけ思った。

「とりあえず、記録しよう」

震える手で通話を録音した。
やっとつながった電話の向こうで、相手は焦った声で言った。

「保険は…入ってなくて…でも払いますから…」

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その瞬間、状況がはっきりした。

すぐに警察へ連絡。
事故は正式に処理され、責任は相手側に確定。
もう“なかったこと”にはできない。

息子は後から言った。
「あの時、言われるままにしそうだった」

私は苦笑いして答えた。
「私も何も分かってなかったよ。ただ、逃げ道を作らせちゃいけないと思っただけ」

怒りでも、知識でもなかった。
ただの不安が、たまたま“正しい行動”につながっただけ。

でも最後に分かったことがある。

困った時ほど、人は“近道”を選びたくなる。


けれど守ってくれるのは、
お金でも口約束でもなく、
記録と手続きとルールだった。

息子に言った。

「覚えておきなさい。
焦った時こそ、正しい道を歩くのよ。」

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