序章 裏社会の禁忌圏​

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芸能界は華やかな光の裏に、時に暴力団の影が忍び寄ることがある。権力と金銭の狭間で生きる芸能人たちは、往々にして無力感に苛まれることが少なくない。

だが、そんな中にも暴力団からさえ手を出せない、特異な存在が存在する。彼らは芸能活動だけでなく、裏社会にも驚異的な影響力を持ち、または鉄壁の防衛線を築いている。今回は、その中でも代表的な 3 人の芸能人の物語を解き明かす。​

1 位 松方弘樹 「金で紛争を収める裏の王者」​

2016 年の東京・新宿の某劇場。舞台の照明が消え、観客の拍手が収まるや否や、楽屋のドアがぎこちなくノックされた。

訪れたのは、当時関東地区で势力を持つ暴力団の幹部だった。彼は松方弘樹の楽屋に入り、ぎこちない笑みを浮かべて「ちょっとお話を聞きたい」と話しかけた。だが、松方は化粧を落とす手を止めることなく、頭も上げずに冷たい一言を返した。「私の時間は貴重だ。用がなければ退場してください」。その圧倒的な存在感と厳しい口調に、元気満々だった幹部は瞬く間に意気消沈し、無言で退場していった。

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