「大学が消える」と聞くと、多くの人は地方の話だと思うかもしれない。
人口が少ない地域で、若者が都市部へ流れ、学生が集まらなくなる。そんな光景を想像する人は多いだろう。だが、いま起き始めている現実は、それほど単純ではない。
首都圏でも、消える可能性のある大学が実際に出始めているのだ。
大学は、もはや「東京に近ければ安泰」という時代ではない。
かつては首都圏にキャンパスがあるだけで、一定数の学生が集まり、学費収入も安定すると考えられていた。地方大学に比べれば有利。そう思われてきた。
しかし、少子化の波は想像以上に深い。
十八歳人口は減り続け、大学進学者の奪い合いは年々激しくなっている。さらに学生や保護者の目も厳しくなった。知名度、就職実績、学費、キャンパスの立地、学部の魅力。少しでも弱い要素があれば、すぐに選択肢から外されてしまう。
その結果、大学の間に大きな差が生まれている。
黒字を出し、設備投資を続け、人気学部を拡充できる大学。一方で、定員割れに苦しみ、学費収入が減り、施設維持費や人件費だけが重くのしかかる大学。
決算データを見ると、その差ははっきり表れている。
大学経営で最も大きい収入源は、やはり学生からの学納金だ。つまり、学生が集まらなければ収入は一気に細る。だが、学生が減ったからといって、すぐに教職員を減らしたり、校舎を売ったりできるわけではない。大学には固定費がある。建物の維持、研究環境、図書館、事務職員、教授陣。学生数が減っても、支出は簡単には減らない。
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