小学校の卒業式まで、あと一週間となったある日のことだった。
6年2組の教室では、担任の先生が生徒たちに一つの課題を出した。
「最後の宿題です。テーマは自由。6年間を振り返って、自分が本当に伝えたいことを書いてください」
生徒たちは一斉に顔を見合わせた。
「感想文か……」
「何を書けばいいんだろう」
そんな声が教室のあちこちから聞こえた。
楽しかった思い出を書く子もいれば、将来の夢を書く子もいた。友達との出来事、修学旅行、運動会、先生への感謝……それぞれが思い思いの文章を書き始めた。
その中に、一人だけなかなか筆が進まない少年がいた。
名前は翔太。
普段から口数が少なく、クラスの中心にいるタイプではなかった。授業中も目立つことはなく、休み時間も一人で本を読んでいることが多い。
しかし、翔太には誰にも話していない大切な思い出があった。
鉛筆を握ったまま、しばらく机の上の白い原稿用紙を見つめていた翔太は、ゆっくりと書き始めた。
「僕には、学校に行きたくなかった時期があります」
その一文から始まる文章だった。
翔太は、3年生の頃に父親を亡くしていた。
突然の別れだった。
家の中から父親の声が消え、休日に一緒に遊んでくれる人もいなくなった。母親は家計を支えるために毎日遅くまで働き、翔太は寂しさを抱えたまま学校へ通っていた。
周りの友達が家族の話をするたび、胸が苦しくなった。
「どうして僕だけ違うんだろう」
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=D2POAD3tGmY,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]