男性のがんの中で最も多く診断されるのが「前立腺がん」です。統計では、最終的に男性の約半数が罹患すると言われています。近年、この前立腺がんの診断数は急増していますが、これは単に発症者が増えたわけではなく、PSA(前立腺特異抗原)検査の普及によって早期発見されるケースが増えたことも大きな理由です。
前立腺は膀胱の下、尿道の周囲にある小さな臓器で、くりの実のような形をしています。
主な働きは、精液の一部である前立腺液を分泌することです。普段は目立たない臓器ですが、ここにがんが発生するのが前立腺がんです。
前立腺がんのリスク要因で最も影響が大きいのは遺伝です。血のつながった家族に前立腺がんの患者がいる場合、リスクは2.4倍から5.6倍に増加すると報告されています。一方、日常生活の習慣も影響を及ぼします。特に肥満や脂質異常症は前立腺がんの進行や発症リスクを高めることが知られています。BMIが高いほど、また中年以降の体重増加が激しいほど、進行した前立腺がんが見つかる確率が上がるのです。脂肪分の多い食事による炎症が腫瘍細胞の増殖や免疫機能低下を引き起こす可能性も指摘されています。
中高年男性の悩みとして、夜間の頻尿がありますが、前立腺肥大症もまたメタボリックシンドロームの一種として前立腺の健康に影響します。肥満の改善や運動習慣の維持が重要で、BMIが30以上の方は特に注意が必要です。
一方、意外な話ですが、射精の頻度と前立腺がんのリスクには関係があるという報告もあります。アメリカで約3万人の男性を対象に行われた研究では、月21回以上射精を行うグループは、月4~7回のグループに比べ、悪性度の高い前立腺がんのリスクが約20%低下したとの結果があります。
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